President’s message
Welcome to the home page of the Japan Rorschach Society for the Comprehensive System (JRSC) !
President’s message
Our academic society was established in 1993 and the same year we joined the International Rorschach Society (IRS) as the first Rorschach society in Asia. In the beginning, the society was small with fewer than 30 members. However, over the ensuing years, thanks to the active participation of a highly motivated younger generation of members, the society now numbers over 500.
The main purposes of our society are threefold. First, to maintain the integrity of the Comprehensive System and ensure it is taught correctly to Japanese practitioners. Second, to encourage practitioners to fully use the Comprehensive System as a tool to help their clients. Third, to stimulate domestic research so that the results can be added to those of other countries in order to help broaden the understanding of human psychology on an international basis.
To help achieve those purposes, our society hosts an annual conference in Japan to provide opportunities for members to interact and to have exposure to the latest findings. Moreover, about 50 members of this society usually participate in the IRS conference, which is held once every three years. Additionally, we publish a journal and newsletter annually and hold national workshops.
Our members are a group of young and vibrant Rorschach practitioners, eager to use the Comprehensive System to help clients cope with the increased complexity of 21st century living.
Japan Rorschach Society for the Comprehensive System
Noriko NAKAMURA
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会長挨拶
会長挨拶
ロールシャッハ法は、大変高度な精神測定技術です。相手の見たものを同じように見る技術だからです。人の見たものをその人の言っているとおりに、その人の目になって同じように見る技術です。
そこには、相手の見たものをこころの要素に分解して「ロールシャッハ言語」に同時通訳する作業も含まれます。伝えられていることを確実に聴き、人を本当に理解するというチャレンジに立ち向かう技術とも言えるでしょう。それだけでも高度といえますが、要素に分解し変数化したロールシャッハ言語を統合し、生きた人となりとして、こころの機能に仕立てなおして理解するにはさらに高度な技が必要となります。
このような複雑な精神測定技術が、1970年代以降、アメリカのJohn E. Exner(本学会名誉顧問)によって「心理学モデル」に則って体系化され、学びやすく、教えやすいロールシャッハ法となりました。広く心理臨床で使われ必要とされる技術ですが、その結果からは“その人”のこころの仕組みがわかり、人々によって異なるパーソナリティのでこぼこ具合や長所と欠点などが理解可能になります。
徹底的にパーソナリティを理解した結果として、複合的な弱さや欠点、極端な傾向、著しい逸脱が意味するところの不適応や病理の理解も進みます。何より、これからの介入手段や援助方法をどうしたらいいのか、どうなる可能性があるのか、その先の変化の予測を立てられるところに、わざわざ苦労して難しいロールシャッハの技術を使う醍醐味があるといえましょう。
日本以外でもアメリカ、アルゼンチン、イタリア、ブラジル、スイス、キューバ、チェコ、スペイン、フィンランド、フランス、イスラエル、オランダ、ペルー、ポルトガル、スウェーデン、トルコ、ベネズエラ、南アフリカの世界の心理学者達が、包括システムのロールシャッハを共通言語として研究し、臨床に適用して知見を深め、国際ロールシャッハ及び投映法学会で重要な役割を担っています。
本学会は、1993年にアジアでははじめて 国際ロールシャッハ及び投映法学会に団体登録された、日本で最初のロールシャッハ学会として設立されました。設立当時は30人に満たない組織でしたが、16年経って学会員数は500名近くに成長しました。
本学会は年次大会を各地で開催し、研究と交流の場を持っています。また、3年に1度開催される国際ロールシャッハ及び投映法学会には例年50名近くの会員が参加しています。国内の第16回年次大会は2010年6月20日に札幌で、次回第20回国際ロールシャッハ及び投映法学会大会は2011年7月に東京で開かれる予定です。
「未来に向けての飛翔」これが本学会設立当初のスローガンでした。未来を意識したときから未来が現在になりました。精神測定技術と心理査定学が正しく進歩し、さらなる進化を遂げるために謙虚に研鑽を積む学会となるよう、皆様の真摯な参加をお待ちします。
包括システムによる日本ロールシャッハ学会
会長 中村 紀子