大会企画シンポジウム(5月17日 13:30~16:00)
「ひきこもりの心理アセスメント:日韓両国の現状と展望」ではシンポジストとして、
チェ・テヨン(Tae Young Choi)先生と近藤直司先生が登壇されます。
お二人の先生方のうち、まず近藤直司先生の抄録をご紹介いたします。
日本における青年期ひきこもりケースの理解と支援
近藤直司
(大正大学人間学部臨床心理学科、東京都立小児総合医療センター児童・思春期精神科)
最初に、2010年に厚生労働省が公表した『ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン』の作成にあたって演者らが担当した本人の診断分類に関する研究結果を紹介し、ひきこもりケースが多様な精神医学的背景をもつことを示す。また近年、発達障害をもつ人がひきこもりや家庭内暴力、自殺関連行動など、介入の困難な問題行動を生じやすいことが指摘されている。厚生労働科学研究費補助金(障害者政策総合研究事業)により平成25年度から3年間の予定で組織された「青年期・成人期発達障がいの対応困難ケースへの危機介入と治療・支援に関する研究」(研究代表者:内山登紀夫)においてもひきこもり問題が取り上げられているので、研究班の概要と進捗状況について紹介する。この他、東京都立小児総合医療センター児童・思春期精神科において入院治療に導入したひきこもりケースについて報告し、若年ケースに対する入院治療の有効性が高いことを示す。
5月17日13:30~16:00 大ホール
大会企画シンポジウム
「ひきこもりの心理アセスメント:日韓両国の現状と展望」
【企画趣旨】
「ひきこもり」とは,厚生労働省によると以下のように定義される。「仕事や学校に行かず,かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに,6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」。同省は,時々は買い物などで外出することもあるという場合も「ひきこもり」に含める,とする。わが国において,このような「ひきこもり」状態にある人は,2011年8月の朝日新聞の報道によれば,100万人を超えるという。これは驚くべき数字であり,多大な社会的損失といえよう。
ひるがえって海外の状況はどうか。同様の現象は,韓国,イタリア,アメリカ合衆国,イギリス等でも見られ,なかでも韓国では年々目立ってきているようである。このように,「ひきこもり」は,世界各国の中でも特に先進国に特有の現象といえそうである。
さて,このひきこもりという現象をどのように理解すべきか。ひとくちに「ひきこもり」といっても,その背景には本人の病理,パーソナリティといった個別的な要因のみならず,本人をとりまく家族,教育,さらには文化といった社会的要因も存在すると思われる。当然のことながら,ひきこもり状態にある人たちに対して有効な支援を行うためには,このように多様な背景要因を適切に理解しなければならない。換言すれば,適切なアセスメントがない限り,有効な支援はありえないのである。
そこで,本シンポジウムは,ひきこもりの心理アセスメントに焦点を当て,日本・韓国の専門家に存分に議論していただくことにした。このシンポジウムを通して,両国にまたがる広い視野から,ひきこもりの現状や背景要因を知るとともに,そのアセスメントに際して,何に留意すべきかを検討するきっかけになればと思う。
パネリスト【順不同】:
● Kim Hyun Soo(psychiatry department of Myung-ji Hospital, 韓国ソウル)精神科医のKim先生は,韓国における児童期・青年期の問題のオーソリティであり,特に子どもたちのインターネット依存,ひきこもり等の問題の専門家です。韓国の実情(家族・教育・文化的背景)を踏まえて,ひきこもりという現象をどのように理解するのか,また,そのアセスメントに際してどのような点に留意すれば良いのか,などをお話しいただく予定です。
Kim Hyun Soo (Myonji Hospital 韓国)→チェ・テヨン(Tae Young Choi)先生に変更となりました。
● 齊藤万比古(国立国際医療研究センター国府台病院,精神科部門診療部長・明治大学大学院文学研究科,兼任講師)ひきこもりの診断と治療の専門家である齋藤先生には,日本の精神科医としての観点から,引きこもりをどのように理解するのかについて,お話をいただく予定です。「ひきこもり」という現象を,日韓の専門家が互いにどのように見立てるのか,そこにはどのような共通点・相違点がみられるか。それを検討することが本シンポジウムの目玉です。国家・文化を越えて,互いに意見を交換しあうことが,「ひきこもり」の包括的な理解へとつながることでしょう。
齊藤万比古(母子愛育会総合母子保健センター愛育病院)→近藤直司先生に変更となりました。
● 司会 高瀬由嗣先生(明治大学)
包括システムによる日本ロールシャッハ学会第20 回大会
大会組織委員名簿
大会長 中村 紀子 国際ロールシャッハ及び投映法学会副会長
包括システムによる日本ロールシャッハ学会会長
中村心理療法研究室
副大会長 津川 律子 日本大学文理学部心理学科
野田 昌道 横浜家庭裁判所川崎支部
大会事務局長 和田 多佳子 長谷川病院
財務委員会
委員長 手束 恵 情緒障害児短期治療施設 小松島子どもの家
広報委員会
委員長 田形 修一 札幌学院大学人文学部臨床心理学科
副委員長 津川 律子 (前出)
プログラム委員会
委員長 野田 昌道 (前出)
副委員長 黒田 浩司 山梨英和大学人間文化学部人間文化学科
委 員 高瀬 由嗣 明治大学文学部心理社会学科
青木 佐奈枝 筑波大学人間系心理学域
大崎 明美 北海道大学保健センター
柳田 宗孝 横浜家庭裁判所
ワークショップ委員
委員長 村松 朋子 金沢大学医薬保健研究域医学系
脳情報病態学(精神医学)
委 員 五十川 早苗 公益財団法人松原病院 診療技術部 臨床心理室
大矢 寿美子 金沢工業大学大学院心理臨床センター
及川 由佳 高知家庭裁判所
国際交流委員会
委員長 横山 恭子 上智大学総合人間科学部心理学科
副委員長 馬淵 聖二 千歳烏山心理相談室
委 員 横山 勝 和歌山家庭裁判所田辺支部
通訳翻訳委員会
委員長 遠藤 裕乃 兵庫教育大学大学院人間発達教育専攻
臨床心理学コース
委 員 大野 恵美 横浜家庭裁判所
山内 陽子 東京家庭裁判所
斎藤 雅志 千葉家庭裁判所木更津支部
山田 聡子 きしろ心理相談室
会場設備委員会
委員長 渡邉 悟 府中刑務所
委 員 今村 有子 甲府少年鑑別所
学生ボランティア委員会
委員長 黒田 浩司 (前出)
委 員 高瀬 由嗣 (前出)
吉村 聡 上智大学総合人間科学部心理学科
小倉 菜穂子 八王子メンタルクリニック
企画担当委員会
委員長 小澤 久美子 裁判所職員総合研修所
副委員長 藤田 美枝子 聖隷クリストファー大学社会福祉学部
委 員 有木 永子 東洋学園大学人間学部
稲田 正文 川崎医療福祉大学医療福祉学部臨床心理学科
塚原 健司 岡山県津山児童相談所
20周年記念編纂委員会
委員長 渡邉 悟 (前出)
副委員長 丹治 光浩 花園大学社会福祉学部臨床心理学科
委 員 渕上 康幸 名古屋少年鑑別所
小倉 菜穂子 (前出)
ホームページ委員会
委員長 渕上 康幸 (前出)
委 員 三角 健 長崎少年鑑別所
大会事務局
事務局次長 村松 朋子 (前出)
事務局員 馬淵 聖二 (前出)
西田 泰子 静岡県発達障害支援センター
小澤 久美子 (前出)
野村 邦子 社会福祉法人聖母病院
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