20回記念大会は終了しました。
親の葛藤に対する子どもの反応をとらえ、治療に生かす(バイオフィードバックを活かしたアセスメント)
1)ワークショップのタイトル:
親の葛藤に対する子どもの反応をとらえ、治療に生かす(バイオフィードバックを活かしたアセスメント)
2)ワークショップのねらい:
子どもへのアセスメント・バッテリーは,ほとんどと言ってよいほど,子ども自身にのみ焦点が当てられています。私たちが行った「親の葛藤に対する子どもたちの反応に関する研究」(Children’s response to parental conflicts)によれば,子どもたちは,彼らの家族のコンテクストに沿ってアセスメントされたときと,子ども自身のみに焦点を当ててアセスメントされたときとでは,その結果は,かなり違ったものになることが判明しています。
本ワークショップでは,親同士の言い争いにさらされている間,子どもたちにはどのような生理学的反応が生じているのか,また,それらを測定するために,子どもたちのアセスメントプロトコルをどのように使用すればよいのかを説明します。
このような測定を行い,結果を家族と一緒に振り返ることによって,われわれは,苦痛のただなかに置かれた子どもたちに対する認識を転換させ,ADHDやODDといったさまざまな子どもの情緒的,行動上の問題及び心身症的な問題が親同士の言い争いと関連があることを理解できます。
3)講師紹介
Wai-Yung LEE博士は,アメリカ家族療法学会,2014年度 Distinguished Contribution to Family Therapy Theory and Practice Award 受賞者でいらっしゃいます。また,家族療法アカデミーのクリニカル・ディレクター,香港大学家族研究所の創設者,ニューヨークのミニューチン家族センターの教育部門担当者としても知られています。また,アメリカ,ヨーロッパ,そしてアジアにおいて,基調講演並びにワークショップを主宰されてこられました。
リー博士の業績は、アジアの家族に関する、数多くの「神話」を解き明かして、それぞれの文化ごとに根ざした、異なるアプローチ法を作り上げてこられたことにあります。
また,先生は,S.ミニューチンとその同僚の先生方との共著で『ミニューチンの家族療法セミナー 心理療法家の成長とそのスーパービジョン』(2000年金剛出版),『家族・夫婦面接のための4ステップ』(2010年金剛出版)を発表され,これらの著作は様々な言語に翻訳されております。
最近では,日本,韓国,中国,台湾,香港の5つのアジアの国と地域において,カップルがそれぞれの相異をどのように克服していくのかを比較研究されておられ,その研究成果は,Family Processの2013年9月号に特別掲載されました。
心拍数,皮膚の電気抵抗や体温などの,生理学的な測定の準備,及びその分析については,Lee先生の助手であるViviana Cheng先生が担当されました。
ワークショップB
講師 Wai-Yung Lee(ウェイ・ユン・リー)博士(香港大学)
家族療法の分野で国際的に活躍しておられるWai-Yung-Lee(ウェイ・ユン・リー)博士を香港からお招きします!
リー博士は,サルバドール・ミニューチンの直弟子で,アメリカ夫婦家族療法学会認定スーパーバイザー,香港大学助教授,香港大学家族研究所の創設者であるとともに,ニューヨークのミニューチン家族センターのスタッフも務めておられます。
日本でも,近年,家族療法学会の基調講演,ワークショップなどに登壇されている,今,注目の先生です。
今回,リー博士にお願いするワークショップは「家族療法とアセスメント」。アセスメントの結果を家族療法に組み込み,活かしていく-実践の技を,近隣諸国でアセスメントを行っているエキスパートからライブで学ぶ絶好の機会です!
リー博士は,基調講演のテーマにもあるように,バイオフィードバックを家族療法に用いて介入しておられます。普段,ロールシャッハを使われる方にも使われない方にとっても,新しい発見,新鮮な刺激のある講座になるものと期待できます。
逐次通訳が付いていますので,英語が苦手な方でも大丈夫!
みなさま,ぜひ,ご参加ください。
著書)「家族・夫婦のための4ステップ 症状からシステムへ」
サルバドール・ミニューチン,マイケル・P・ニコスと共著
2010年 金剛出版