20回記念大会は終了しました。
ワークショップD「発達障害の心理アセスメント~Wechsler法を中心に~」
講師 : 糸井岳史先生(明神下診療所)
【講師ご略歴】
筑波大学大学院 教育研究科カウンセリング専攻(リハビリテーションコース)修了。
明神下診療所(精神神経科)に臨床心理士としてご勤務(現職)。
発達障害の心理アセスメントや支援のご経験が豊富で、様々な学会のワークショップや研修会の講師として招聘されている。最近では、日本ロールシャッハ学会第16回大会(2012)シンポジウム「発達障害の複眼的アセスメント」、心理臨床学会第32回秋季大会(2013)シンポジウム「強迫性障害を持つ7歳児への介入」などに、シンポジスト、指定討論者としてご登壇されている。
【講師からのメッセージ】
発達障害への関心の高まりとともに,心理アセスメントツールとしての,Wechsler系知能検査も注目を集めている。しかし,Wechsler系知能検査は,本来「発達障害」の心理アセスメントを目的として開発された心理検査ではない。発達障害の心理アセスメントにおいて求められるアセスメントの内容と,Wechsler系知能検査が測定しうる能力にはズレがあるので,Wechsler系知能検査のユーザーには,この検査の特徴や限界をふまえた上で,施行・採点・解釈することが求められる。
そこで本ワークショップでは,Wechsler系知能検査の特徴と限界をふまえた上で,本検査を発達障害に適応する際の留意点にいて講義する。「数量的分析」,特に「プロフィール分析表」を用いた解釈の限界に触れた上で,発達障害に生じやすい「質的特徴」と,その臨床的意味について講義する。
事例提供者がいれば,事例検討を行うことで,Wechsler系知能検査等を用いた心理検査の解釈の実際を呈示したい。その際には,心理検査結果の解釈にとどまるのではなく,結果の解釈から,支援上の具体的な臨床的提案も行うようにしたい。
【事例募集について】
このワークショップでは検討事例を募集しています。事例は、発達障害が疑われる事例(必ずしも医師の確定診断がなくてもよい)で、少なくとも心理検査として、WAIS-Ⅲが実施されていることが条件です。また必須ではありませんが,ロールシャッハテスト等の他の心理検査も施行されているとより望ましいです。事例提供を希望される方は、1月10日までに予約参加申し込みフォームにてお申し込み下さい。