研 究 成 果 報 告 書

                               2013年12月5日

包括システムによる日本ロールシャッハ学会会長 殿

ダウンロードはこちら→研究成果報告書①

報告者:安田 傑

所属機関 関西学院大学 文学部 総合心理科学科

報 告 内 容

1 研究テーマ(副題を含む)

“What’s wrong with the Rorschach?”による論争展開についての文献研究 -包括システムへの批判とその反論-

2 研究概要(目的、手続、結果、考察等)

【HP掲載用に研究助成審査委員会の依頼のもとに実際の報告書より短くしたもの】

目的
 Woodら(2003)が著書“What’s wrong with the Rorschach?”の中で包括システムの実証性を批判して以来、Woodらに賛同して包括システムの利用を批判する声が急速に高まった(例えば、Crews, 2004; Erickson et al., 2007; Gold, 2003など)。本邦では、宮崎(2006)により当該図書の和訳版である“ロールシャッハテストはまちがっている―科学からの異議―”が出版され、心理学の専門家・非専門家を問わず、包括システムへの批判の高まりを知った者は多いと思われる。
 当該図書を論拠として包括システムの利用を批判する読者に対し、包括システムの利用者は近年の実証性論争について十分に把握し、利用の正当性を主張する責任を有している。そのためにも、当該図書に対してどのような支持・反論が行われているかを要約することが重要である。
 そこで本研究では、“What’s wrong with the Rorschach?”を引用元とする文献や書評を対象に文献研究を行い、当該図書に対する支持・反論を要約することを目的とした。

手続
 “What’s wrong with the Rorschach?”についての書評・コメント記事・図書を34本収集した。これらの資料を基に、“What’s wrong with the Rorschach?”によるロールシャッハ法批判に対して、どのような支持・反論が行われているか調査・分析を行った。

結果
 当該図書に対し、多くの支持と反論がなされていることが確認された。文献研究の具体的な結果については、今後、本学会にて発表する予定である。

3 本研究の発表予定

① 学会の年次大会での発表
2014年度のJRSC年次大会にて、本研究の口頭発表を予定している。
② 投稿論文による発表
JRSC年次大会での発表終了後、JRSC学会誌に研究報告の種目で論文の投稿を予定している。

4 本研究の発表予定

【HP掲載用に研究助成審査委員会の依頼のもとに実際の報告書より短くしたもの】


研究助成金の執行内訳

【国内外にある文献の入手・複写に関わる経費】

・文献複写費 8,050円

・文献取寄費 0円

・図書購入費 34,457円

【非英語圏資料の和訳に関わる経費】

・ドイツ語による書評(約800語)の和訳 14,453円

・スペイン語による書評(約1000語)の和訳 40,000円

【文献の整理・保管に関する経費】

・PDF化用スキャナ購入費 49,700円

・その他文具類購入費 9,769円

執行額の合計 156,429円


包括システムによる日本ロールシャッハ学会編『ロールシャッハとエクスナー』ロールシャッハ・テストの起源と発展 金剛出版 ISBN4-7724-0868-1 C3011 \2800E
ロールシャッハとエクスナー.jpg
まえがき
 包括システムによる日本ロールシャッハ学会の設立10周年を記念して,学会企画として本書を出版できたことを心から嬉しく思っています。LinkIcon続きはこちら


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JRSC会長あいさつ

包括システムによる日本ロールシャッハ学会シンポジウム画像.JPG 本学会は、1993年にアジアでははじめて 国際ロールシャッハ及び投映法学会に団体登録された、日本で最初のロールシャッハ学会として設立されました。設立当時は30人に満たない組織でしたが、学会員数は500名を超える学会に成長しました。

このサイトは,包括システムによる日本ロールシャッハ学会の公式サイトです。
 当学会は,包括システムによるロールシャッハ法を学び,その発展・普及および研修者間の連携・協力をはかっています。例年5月に大会を開催する他,機関誌,ニュースレターを発行し,各地で研修会を実施しています。また,国際ロールシャッハ及び投映法学会(The International Society of the Rorschach and Projective Methods (ISR) )に団体会員として登録し,その活動に参加しています。
 当学会は,平成20年4月7日付けで日本学術会議の協力学術研究団体に指定されました。
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