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2006.5.20-21
第12回静岡大会

第13回大会

2007年(平成19年)5月19日(土)・20日(日)
日本大学文理学部
テーマ「実力あるロールシャッカーを目指して」
大会長 津川律子
 この度、包括システムによる日本ロールシャッハ学会第13回大会を開催するに当たりまして、ご挨拶させていただきます。
当学会は、1992年、包括システムの生みの親である故John E.Exner,Jr名誉顧問の初来日に端を発し、1994年に設立されました。
 日本における心理学・精神医学関係の学術団体の多くが、国内の活動が拡大して学会へと発展するのに対して、当学会は最初に国際ロールシャッハ学会に登録した後に、会員が全国規模へ波及するという珍しい経過を辿っています。現在では、全国で520名を超す会員数となりました。20代~40代の臨床心理学分野の未来を担う若手~中堅会員が多く所属しているのも当学会の特徴です。
 いうまでもなく、ロールシャッハ法は、ご本人及び支援者が、自己理解もしくは援助そのものに役立つために存在するものです。一般に流布されているように、ロールシャッハ図版に「ゴリラ」と回答したから「野蛮な人物」と断定されるといった、心理ゲームとはまったく異なる、高度に専門的な精神測定技術法です。
 また、ロールシャッハ図版の創始者であるスイスのヘルマン・ロールシャッハ以来、80年以上にわたって、現在でも全世界で活発な研究が行われている、希有な存在でもあります。
 約80年前にスイスで”うつ病”のため精神科病院に入院していた方の精神内界と、現在、私たちの目の前にいる”うつ病”をもつ方とを比較できるだけではありません。アメリカで虐待された子どもと、スペインで虐待された子どもと、日本で虐待された子どもでは、文化差を越えた人間としての心の痛みがあり、それを臨床心理学の視点から詳細に把握し、援助へと役立たせることができるのが包括システムによるロールシャッハ法です。
 つまり、包括システムによって、共通のロールシャッハ図版に加えて、施行法・分類処理法・解釈の基本的なやり方が統一され、文化・時代・地域といった要因を国際的に直接、比較検討できるようになっただけでなく、それらの要因を越えて、ひとりのかけがえのない存在として、その方の心理学的な特徴を把握でき、援助につなげられるのが本法の特徴です。
 このように、包括システムによるロールシャッハ法を通じて、謙虚に研鑽を積み、真摯に援助者としての自己発達を志している会員にとって実りの多い大会になるように「実力のあるロールシャッカーを目指して」というテーマで企画をしました。たとえ参加者が少数であったとしても、内容的にご満足いただける大会となるよう、約2年がかりで準備をして参りました。準備に際して、多大なご尽力を賜りました各方面の関係者の皆さまに感謝を申し上げます。
 参加者の皆さまにとって、ひとつでも、ふたつでも、明日の臨床実践に役立つものをお持ち帰りいただける会となりましたら、それだけでは大会実行委員会としては大きな喜びですが、準備から当日まで、不行き届きやご不便な点があるかと思います。その節はどうかご容赦ください。
 さて、個人的なことを少し述べてしまします。私がロールシャッハ法と出会ったのは、故細木照敏先生(日本大学文学部教授)との出会いに端を発します。細木先生がこよなく愛したロールシャッハ法に関する学術学会を、先生が最後に在職された日本大学文理学部で開催できることは、不肖の弟子のひとりとして、こころから嬉しく感じています。しかし、敬愛する細木先生は、とても心配性の先生でいらしたので、いまも天国で、ハラハラ、ドキドキされながら見ておられることでしょう。「津川君、本当に大丈夫かね??」という声が、耳もとで聞こえてくるようです。
 最後に、大会当日、全国各地から会場に駆けつけてくださる参加者の皆さまに、大会実行委員会一同、「心よりお待ち申し上げております」とお伝えして、誠に簡単で恐縮ですが、お礼のご挨拶とさせていただきまっす。ロールシャッハ法の未来を共に築きましょう。
2007年4月吉日
第13回大会実行委員会を代表して


1日目 5月19日(土)ワークショップ
10時00分~16時30分

A:初心者向けコース
講師:渡邉悟(松江少年鑑別所)

B:初中級者向けコース
講師:佐藤豊(防衛医大精神科)

会員限定レクチャー
「論文の書き方講座」
講師:丹治光治(京都花園大学)

包括システムQ&A 会員限定
10時00分~12時30分
板橋毅(東京家庭裁判所)
野田昌道(さいたま家庭裁判所)

エクスナー博士の講演ビデオの放映

バーチャルハルシネーション体験コーナー

懇親会(百周年記念館1階多目的ホール)

2日目 5月20日(日)

午前:研究発表
口頭発表セッションA
座長:今村洋子(文京学院大学非常勤講師)
座長:元永拓郎(帝京大学大学院文学研究科臨床心理学専攻)

9:30~9:50
被虐待児(施設入所)事例におけるロールシャッハ反応にみられた4年間の変化
○塚原健司(岡山県中央児童相談所)
 稲田正文(川崎医療福祉大学)

9:50~10:10
短期治療場面におけるロールシャッハテストの有用性についての一考察~家庭裁判所の家事実務(心理的調整)での効果的使用を目指して~
大野恵美(東京家庭裁判所)

10:10~10:30
ロールシャッハテストにおける慢性疼痛患者の心理的特徴
山本和美(関西医科大学心療内科学講座)

10:30~10:50
児童期より多様な複数の外傷体験を経験した女性のロールシャッハ反応~単一の外傷体験をもつ同年代女性のロールシャッハ反応との比較により~
○酒井佳永(順天堂大学医学部精神医学教室)
 津川律子(日本大学文理学部心理学科)

10:50~11:10
治療動機が乏しい事例に対するフィードバックの効果~2回のロールシャッハテストの結果の変化を共有する事で個人面接への動機を促進した症例~
○馬淵聖二(長谷川病院)
 和田多佳子(長谷川病院)
 岡村由美子(長谷川病院)

11:10~11:30
OBSの臨床的意味について~リ・テスト時にOBSに該当した一事例について~
○福原政彦(多摩中央病院)
 熊坂幸代(多摩中央病院)
 戸村光恵(多摩中央病院)

口頭発表セッションB
座長:西尾博行(文京学院大学人間学部)
座長:渕上康幸(長野少年鑑別所)

9:30~9:50
ロールシャッハテストの日本における前史~大正時代、内田勇三郎を中心に~
安齊順子(明海大学外国語学部)

9:50~10:10
問題解決場面における体験型の固定度(EBPer)に関する一考察
○戸村光恵(創価大学学生相談室)
 畑伸明(市原学園)
 中村紀子(中村心理療法研究室)

10:10~10:30
高機能広汎性発達障害のロールシャッハテスト~情報処理過程を中心に(1)~
○高橋道子(学習院大学学生相談室)
 和田多佳子(長谷川病院)
 森国佐知(長谷川病院)
 馬淵聖二(長谷川病院)
 池田杏実(長谷川病院)
 仲亀秀実(帝京大学心理臨床センター)

10:30~10:50
境界例者のWの顔飯能の質的研究
 黒田浩司(茨城大学人文学部)

10:50~11:10
性非行に及んだ少年のロールシャッハ反応の特徴
○服部広正(千葉少年鑑別所)
 中川洋一(千葉少年鑑別所)
 荒井百合(千葉少年鑑別所)

ポスター発表
図版の回転行動とロールシャッハ変数の関係性
安田傑(関西学院大学大学院文学研究科)

大学生における無気力の2側面としてのスチューデントアパシー的無気力と抑うつ的無気力の比較検討~包括システムによるロールシャッハ法を用いて~
○狩野武道(日本大学大学院文学研究科)
 津川律子(日本大学文理学部心理学科)

成人期のトゥレット症候群のロールシャッハ反応
○小坂宏子(財団法人神経研究所附属晴和病院)
 鈴木幹夫(帝京科学大学医療科学部)

クリニックにおける自傷行為常習者のロールシャッハの特徴
山田聡子(我孫子メンタルクリニック・聖マリアンナ医科大学病院神経精神科)

高機能自閉症スペクトラム障害におけるロールシャッハ反応といじめの関連性について
○川島るい(北海道大学病院精神科神経科)
 佐藤由佳利(北海道教育大学教育実践総合センター)
 大崎明美(北海道大学病院精神科神経科)

ロールシャッハテストにあらあわれる被虐待児の特徴~一般児童との比較、虐待種別と状態像による差異に着目して~
有住洋子(仙台市児童相談所)

精神神経科で統合失調症と診断された群とクリニックで統合失調症の疑いと診断された群の比較研究(その1)~包括システムによる91の変数における比較~
○城所尚子(カウンセリング&コンサルテーション「城所」)
 鹿子嶋愛(カウンセリング&コンサルテーション「城所」)

精神神経科病院で統合失調症と診断された群とクリニックで統合失調症の疑いと診断された群の比較研究(その2)~包括システムによる特殊スコア及び特殊指標における比較~
○鹿子嶋愛(カウンセリング&コンサルテーション「城所」)
 城所尚子(カウンセリング&コンサルテーション「城所」)

包括システムQ&A 会員限定
12時30分~13時15分
板橋毅(東京家庭裁判所)
野田昌道(さいたま家庭裁判所)
佐藤豊(防衛医科大学校)
渡邉悟(松江少年鑑別所)

午後:事例検討会(百周年記念館)
13時30分~17時00分

ロールシャッハ法:中村紀子(中村心理療法研究室)
描画法:高橋依子(甲子園大学)
MMPI:塩谷亨(金沢工業大学)
WAIS‐Ⅲ・司会:津川律子(日本大学)

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包括システムによる日本ロールシャッハ学会編『ロールシャッハとエクスナー』ロールシャッハ・テストの起源と発展 金剛出版 ISBN4-7724-0868-1 C3011 \2800E
ロールシャッハとエクスナー.jpg
まえがき
 包括システムによる日本ロールシャッハ学会の設立10周年を記念して,学会企画として本書を出版できたことを心から嬉しく思っています。続きはこちら


TOP Topic

JRSC会長あいさつ

包括システムによる日本ロールシャッハ学会シンポジウム画像.JPG 本学会は、1993年にアジアでははじめて 国際ロールシャッハ及び投映法学会に団体登録された、日本で最初のロールシャッハ学会として設立されました。設立当時は30人に満たない組織でしたが、16年経って学会員数は500名近くに成長しました。LinkIcon詳しくはこちら

JRSC2010札幌大会会長あいさつ

包括システムによる日本ロールシャッハ学会第16回大会(札幌学院大学).jpg包括システムによる日本ロールシャッハ学会(JRSC)第16回大会を札幌学院大学で開催させていただくことになりました。LinkIcon詳しくはこちら

ISR2011日本大会会長あいさつ

国際ロールシャッハ及び投映法学会第20回日本大会ISR2011.gif国際ロールシャッハ及び投映法学会(ISR)第20回大会がアジアで初めて開催されることになりました。LinkIcon詳しくはこちら

このサイトは,包括システムによる日本ロールシャッハ学会の公式サイトです。
 当学会は,包括システムによるロールシャッハ法を学び,その発展・普及および研修者間の連携・協力をはかっています。例年5月に大会を開催する他,機関誌,ニュースレターを発行し,各地で研修会を実施しています。また,国際ロールシャッハ及び投映法学会(The International Society of the Rorschach and Projective Methods (ISR) )に団体会員として登録し,その活動に参加しています。
 当学会は,平成20年4月7日付けで日本学術会議の協力学術研究団体に指定されました。
English Pages Here! President's message

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